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「まきの聖修の、出せ静岡の底力」













国家官僚に屈服した安倍内閣


─ 「官僚ファースト解散」に伴う増税への布石 ─


[2017.9.25]




PHOTO(C) REUTER
衆議院解散を表明する安倍総理



満身創痍の安倍内閣を全面降伏に追い込んだ国家官僚


 安倍総理は9月25日午後の記者会見で、臨時国会召集日の28日に衆議院を解散する意向を表明した。

 記者会見において安倍総理が明らかにした選挙公約は、「消費税の使い道の変更」という、想定外の政策であった。

 安倍総理によれば、社会保障制度を「全世代型」へと大きく転換し、幼児教育や所得の低い世帯の子どもを対象にした「高等教育の無償化」など「人づくり革命」を進めるという。

 ただし、それには2兆円規模の財源が必要となるとの理由から、2019年10月に予定されている消費税率10%への引き上げの増収分を財源にする方針を示したのである。

 一部では、「民進党の前原氏の代表選公約をパクった」などと揶揄されるが、元々のアイデアの出所が財務官僚筋であった事は間違いない。

 これにより、消費税率アップの再々延長の可能性が完全に無くなると共に、新たに「消費税率12%」への引き上げに向けた政治プログラムに移行する事が容易になる。

 かくして、さらなる増税への布石が用意された。

 累積した国家債務のツケは、将来の子供や孫の世代に上乗せし続けてはならない。

 財政再建(=国の借金返済)は「待ったなし」の最重要の政治課題であるから、消費税率を10%に上げた直後に、必ずや「12%」の話が出てくるであろう。

 完全に財務官僚の思うツボである。

 しかも税率が10%に留まることは決してなく、次は12%、さらに次は15%となるに相違ない。

 消費税については税率を25%まで引き揚げるのが財務官僚の目標であるが、その後には、また別の名目の新税が創設されるだろう。

 そもそも国家官僚の強大な権力は、「徴税権」に起因する。予算調達能力が官僚の権力の源泉なのである。

 必然的に、国家官僚は「政策」よりもむしろ「増税」を求めるようになる。

 たとえ民間経済や国民の生活が破綻しようとも、より多くの税金を課す事こそが、「国家の為の正しい仕事」と信じて官僚は行動していると見てよい。

 もともとは「反官僚」の立場で政治主導に尽力していた安倍政権であったが、今年になって「文春砲」をはじめマスコミによる執拗なスキャンダル報道が相次ぎ、やがて安倍内閣は「矢尽き刀折れ」、挙句の果てに財務官僚から強要されたのが、今回の理不尽な政策公約であった。

 かくして「仕事人内閣」は、何も仕事が出来ないまま終了した。

 所謂「文春砲」の情報源の多くが、国家官僚によるリークであったことは、よく知られている。

 先般も本HPにおいて述べたように、国家官僚が画策する「政治コントロール」が、本格的に機能し始めているのである。

 2014年5月に安倍政権が断行した「内閣人事局」の創設が、如何に国家官僚にとって許し難い事態であり、官僚組織を挙げて「安倍内閣打倒」に向かわせるものであったかは、その後の推移を見れば明らかであろう。

 安倍総理が表明した今回の選挙公約は、満身創痍となった安倍内閣が、官僚組織に対して無条件降伏した事を意味する。

 今後も当分は安倍内閣が続くだろうが、総選挙以降は、官僚主導による傀儡内閣と化し、かつての民主党政権のように、官僚に都合よく使い捨てにされた挙句に終焉するものと考えられる。

 安倍総理は、この解散を「国難突破解散」と命名したが、むしろ災難に見舞われているのは安部内閣であり、安倍総理自身の「突破」への心理的願望が見て取れる。

 正しくは「官僚ファースト解散」とすべきであろう。まさに「官僚の官僚による官僚の為の解散」に他ならないからである。














《財団概要》

名称:
一般財団法人 人権財団

設立日
2015年 9月28日

理事長:
牧野 聖修
(まきの せいしゅう)




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《連絡先

一般財団法人
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