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 理事長プロフィール





FMラジオ番組
「まきの聖修の、出せ静岡の底力」













習近平が目指す「世界冊封体制」


─── 世界皇帝の野望を抱く習近平 ───


[2018.3.16]




無抵抗のウイグル人達を殺戮する中国人民解放軍。
このままいけば、今世紀半ばには世界中がこのようになる。



終身皇帝・習近平の最終目標


 昨秋の中国共産党大会と今月に開かれた全国人民代表大会(全人代)を経て、習近平による世界征服計画は、着実に進行しつつある。

 北朝鮮の金正恩の暴走も決して看過できないものであるが、国家の規模が桁違いに巨大な中国の場合、世界への悪影響は北朝鮮の比ではない。

 今回の全人代では、14年ぶりに憲法を改正し、国家主席の任期が2期までとされていた条項を撤廃した。これにより、習近平は事実上の「終身皇帝」となり、毛沢東以来の新王朝が成立したことになる。

 また全人代では、「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」の文言を憲法に明記することも決定した。現役指導者の個人名が憲法に記されるのは毛沢東以来である。

 習近平は、毛沢東と肩を並べるような中国史上の英雄になろうと自己の神格化に躍起になっているが、現実には毛沢東の足元にも及ばない事は否定できない。

 少なくとも毛沢東の場合は、神格化されるだけの実績があった。毛沢東は「建国の父」であるだけでなく、中国共産党の創立者であり、革命家であるとともに思想家でもあり、また抗日ゲリラ戦の指導者であった。

 それに比べ習近平の業績といえば、「腐敗撲滅」や「汚職官僚追放」といった謂わば文化大革命の真似事をしているに過ぎない。

 そのため習近平は、実績の無い分の埋め合わせをするかのように、毛沢東でさえ為し得なかった「世界皇帝」になろうとの野望を抱き、それに向けて着々と歩を進めているのである。

「現代世界において、そんな事があり得るはずが無い」と考えるのは、単なる願望あるいは幻想に他ならない。

「人類は自由と平等に向かって進歩している」という思想は、歴史の一部分だけを切り取った錯覚に過ぎない。

 過去約200年間において、英国さらにはそれに続く米国が、世界を領導する経済大国として「自由」と「平等」を標榜してきた時代に限って、それらの理念が「人類共通の普遍的価値」と見做されていただけの事である。

 20世紀前半に英国が凋落したように、やがて今世紀前半には米国が凋落し、それに取って代わるのが中国であると予測されている。

 前近代的な国家が世界最大の経済大国になれば、「人類共通の普遍的価値」もまた、必然的に前近代的な価値へと変容する。

 それは、中国の歴史の本質であり中国という国家のDNAとも言うべき「中華思想」であり、それに基づく政治制度が「冊封体制」である。

 中国が世界最大の経済大国になる今世紀半ば以降、世界の姿は、各国が中国皇帝に朝貢する「世界冊封体制」へと移行する可能性がある。



21世紀半ば、全世界が中国の属国に


 習近平が国家主席に選出されたのは2013年3月であるが、その4カ月前の2012年11月15日、第18回中国共産党大会において、習近平は中国共産党中央委員会総書記、および党中央軍事委員会主席に選出された。

 その際に、習近平はこのように演説した。

「わが民族(=中華民族)は偉大なる民族である。5000年以上にわたる文明の発展の中で、中華民族は人類の文明の進歩に不滅の貢献をしてきた。それが近代以降、艱難辛苦を経験し、最も危険な時期を迎えた。だが中国共産党の成立後、頑強に奮闘し、貧困の立ち遅れた旧中国を、繁栄と富強の新中国へと変えたのである。中華民族の偉大なる復興の光明は、直ぐ近くの前景にある。中華民族を世界民族の林の中で、さらに強く自立させるのだ」

 さらに、2012年11月29日には、習近平は次のような演説をしている。

「中華民族の偉大なる復興こそが、近代以降の中華民族の最も偉大な夢である。この夢には、過去何代もの中国人の想いが込められている。私は自信を持って述べるが、中国共産党結党100周年(=2021年)までに、全面的な『小康社会』(ある程度豊かな社会)を実現する。そして新中国建国100周年(=2049年)までに、富強・民主・文明・和諧の社会主義現代化の国家を、必ず創り上げる」

 習近平の構想としては、まず2021年までに、技術力においても日本よりも優位に立ち、名実ともにアジア№1の大国としての国際的地位を確立する。

 そして2049年までに、米国を超えて世界№1の大国として君臨するというものである。

 これらの習近平演説は、単なる法螺話ではなく、現実化に向けた具体戦略が策定されている。

 習近平は、今後10年の間に、中国が以下の課題を達成すれば、真の覇権国となれると考えている。

 第1は、成長戦略「Made in China 2025」である。2025年までに、中国はAI・ロボット技術・半導体チップなどの分野で世界のトップに立ち、新時代の世界の製造業を支配するべく国家を挙げて取り組んでいる。

 すでに中国の経済力は日本を遥かに上回っているが、技術力においても現在の中国は日本を凌駕するに至っている。

 AI技術力の指標となるスーパーコンピューターの性能は、4年連続で中国のスパコンが世界1位の座を堅持しており、日本のスパコンは4位にまで転落している。

 かつて某議員が「2位じゃ駄目なんですか?」などと発言して話題になったことがあるが、今や日本は2位になる事さえ困難なレベルなのである。

 日本政府が、技術開発への補助金を出し惜しんだり、残業時間の制限などを推進している間に、隣の超大国は、技術力においても日本を追い越してしまったのである。

 日本政府の無策ぶりは、糾弾されて然るべきであろう。

 第2は、地政学的にユーラシア全域を支配する「一帯一路」戦略である。これは、陸海それぞれのユーラシア各国の取り込み戦略であり、「海と陸の新シルクロード戦略」とも呼ばれる。これは、胡錦涛時代の海上戦略であった「真珠の首飾り戦略」をさらに発展させた大規模構想である。

 「一帯一路」戦略によって、中国は中央アジアやイスラム圏も含めたユーラシア全体を、自国の帝国主義的勢力下に取り込んでゆくことになる。

 第3は、中国が自国の勢力下に置いた中東地域のオイルマネーを米ドルから人民元へと転換させ、人民元が国際決済通貨となることにより、中国が世界金融の中心になるという戦略である。

 その上で、中国が保有する世界最大量の外貨準備の米国債を一気呵成に売り浴びせれば、米国経済のみならず、世界経済が瞬時に崩壊することになる。

 以上の戦略目標が達成されれば、米国や日本のみならず、やがて全世界が中国の属国となるだろう。

 かくして、中国皇帝に世界各国が朝貢する「世界冊封体制」が完成する。

 習近平の思考回路の根本は、「古代中国の栄光」への回帰志向である。

 もはや習近平思想は、毛沢東主義でもなければ、マルクス・レーニン主義ですらない。

 習近平のイデオロギーに最も近い思想は、ナチズムである。

 「民族の復興」と「アーリア人種による世界支配」を唱えたナチズムと、習近平思想とは完全なる相似形を成している。

 ナチズムにおける「アーリア人種」を「中華民族」に置き換えれば、そのまま習近平思想になる。

 習近平の古代回帰志向による「世界皇帝」への野望を阻止する為には、中国の「標的」となっているあらゆるユーラシア諸国と連帯し、「対中国包囲網」を構築し対抗しなければならない。

 人権財団は、中国当局の脅威に晒されている少数民族やマイノリティおよび中国民主化=自由化を希求する人々と国際的に連帯し、中国共産党の野望を打ち砕く日まで、共に闘い抜く所存である。













《財団概要》

名称:
一般財団法人 人権財団

設立日
2015年 9月28日

理事長:
牧野 聖修
(まきの せいしゅう)




 定款(PDFファイル)




《連絡先

一般財団法人
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