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「まきの聖修の、出せ静岡の底力」
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中国非難決議を採択しなかった国会
時代の要請を理解出来ない政治の実態
[2021.6.21]
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中国非難決議の採択が見送られた国会 |
PHOTO(C)FNN |
G7声明にも違背する「反人権」の政権与党
英国で開催されたG7サミットを終えて菅首相が帰国した直後の6月16日、2021年度の通常国会が閉会した。
G7サミットの首脳声明では、「新疆や香港との関係で人権や基本的自由を尊重するよう中国に求める」と明記されたにも関わらず、日本では「新疆ウイグル等における深刻な人権侵害に対する非難決議」が国会で採択されることなく終わった。
日本以外のG7の国々では、中国当局者に資産凍結などの制裁を科したり、議会において中国の人権問題を巡って非難決議を採択したりしてきた。
しかしながら、我が国においては政権与党である自民・公明両党の執行部の判断によって中国非難決議が見送られる結果となった。
今年3月頃から、日本ウイグル議員連盟(古屋圭司会長)、日本・チベット国会議員連盟(下村博文会長)、南モンゴル支援議員連盟(高市早苗会長)、人権外交を超党派で考える議員連盟(中谷元共同代表)といった議員連盟が協力して、人権侵害に対する非難決議の国会での採択を模索してきた。
日本・チベット国会議員連盟の下村会長は、「この問題に対する国際社会の懸念はG7サミットでも首脳声明に明記され、自由・民主主義・人権・法の支配等の基本的価値を掲げる我が国として看過してはならない」と訴えていた。
さらに立憲民主党や国民民主党、日本維新の会などの野党も、非難決議に賛同する党内手続きを終えていた。
これに対し、非難決議採択に抵抗し続けたのは、中国と長年にわたり関係を築いてきた政権与党の公明党と、公明党に配慮する自民党中枢であった。
6月14日、上記の下村氏や古屋元国家公安委員長らが自民党の二階幹事長に非難決議採択を直談判したが、二階氏が非難決議に必要なサインをする際に、二階氏の側近が制止したと言われている。
また15日には、与党(自民・公明)の幹事長・国対委員長会議(二幹二国)で決議案が協議されたが、公明党が「まだ党内議論の途中で結論が出ていなかった」との理由で、時間切れによる採択見送りという流れになった。
ただし、公明党の言う「党内議論の途中」というのは方便に過ぎず、「国会決議は全会一致」という国会の慣例を盾に取った公明党の戦術であったと見られている。
親中派の公明党にとって、中国非難決議は都合が悪かったのであろう。だが仮にそうだとすれば、今後、公明党には「人権の党」を名乗る資格は無い。
今年3月から約3カ月にわたり採択に向けて努力が続けられてきた中国非難決議案は、かくして葬り去られた。
ミャンマーのクーデター政権への非難決議は6月8日に衆議院で可決されたにも関わらず、その何万倍もの規模で人権弾圧を続けている中国に対する非難決議が採択されなかった事の持つ意味は大きい。
結果的に、我が国は中国のような軍事力や経済力の強い国に対しては何も抗議出来ない一方で、大国ではない国に対しては抗議をするというダブルスタンダードの国家である事を全世界に露呈する格好になってしまった。
専制主義の中国と対峙して世界の自由と人権を守っていかなければならないという時代の要請を全く理解出来ない我が国の政治の実態がここに見られる。
非難決議見送りは、中国共産党政権による少数民族弾圧に加担する行為に等しく、政治的に完全なる過ちであった。
中国非難決議見送りの理由を、公明党の山口那津男代表や自民党の二階俊博幹事長、森山裕国対委員長は、国民に向けてきちんと説明する義務があるだろう。
国会採択が見送られた「非難決議」全文
今通常国会での採択が見送られた「新疆ウイグル等における深刻な人権侵害に対する非難決議」の全文は下記の通りである。
「近年、新彊ウイグル、チベット、南モンゴル、香港、ミャンマー等では、信教の自由への侵害、強制収監をはじめとする深刻な人権侵害が発生している。人権問題は、人権が普遍的価値を有し、国際社会の正当な関心事項であることから、一国の内政問題にとどまるものではない。
この事態に対し、一方的に民主主義を否定されるなど、弾圧を受けている人々からは、国際社会に支援を求める多くの声が上がっており、また、その支援を打ち出す法律を制定する国も出てくるなど、国際社会においてもこれに応えようとする動きが広がっている。そして、過日の日米首脳会談、G7においても、人権状況への深刻な懸念が共有されたところである。
このような状況において、人権の尊重を掲げる我が国も、日本の人権外交を導く実質的かつ強固な政治レベルの文書を採択し、確固たる立場からの建設的なコミットメントが求められている。
本院は、深刻な人権侵害に象徴される力による現状の変更を国際社会に対する脅威と認識し、これを強く非難するとともに、深刻な人権侵害行為を国際法に基づき、国際社会が納得するような形で直ちに中止するよう、強く求める。
さらに、それぞれの民族等の文化・伝統・自治を尊重しつつ、自由・民主主義・法の支配といった基本的価値観を踏まえ、立法府の責任において、深刻な人権侵害を防止し、救済するために必要な法整備の検討に速やかに取り掛かる決意である。
政府においても、このような認識の下に、まず、この深刻な人権侵害の全容を把握するため、事実関係の徹底した調査を行うべきである。それとともに、深刻な人権侵害を防止し、救済するための包括的な施策を実施すべきである。右決議する。」
「人権の輪」を世界に拡げるために
中国共産党は、「科学的社会主義」の名の下、あらゆる宗教およびその信仰者を地上から永久に絶滅させる事が階級闘争におけるプロレタリアートの歴史的使命と信じ、それを実行している。
そのため、多数の新疆ウイグルのイスラム教徒達や法輪功の行者達の臓器を生きたまま抉り出し、それら大量の臓器を外国に売却して外貨を稼ぐ事も、中国共産党にとっては「正義」なのである。
そうした中国共産党の反人道的行為にあたかも協力するかのように、我が国の政権与党中枢部は「中国非難決議」を葬り去った。
両者に共通しているのは、人間よりも経済優先の思想である。
近代社会においては、「人権」や「環境」よりも、「国益」や「経済発展」を重視する事が当然とされてきた。
近代社会で一定の条件が揃った場合には、「国益」や「経済発展」が個人の幸福に直結する事もあり得た。
しかしながら、社会格差が拡がり階層の二極分化が進行した場合には、「国益」や「経済発展」は大半の個人の幸福とは無関係の現象に過ぎなくなる。
現在、世界が重視する価値観は「人権」である。
国際法における「ノン・ルフールマン原則」に象徴されるように、現代世界においては「国権」よりも「人権」が優先されるようになってきている。
「人権」が「国権」よりも優先されるべきなのは、国家が亡んでも人間は亡びないからである。
最新の研究によれば、今後技術が進歩して脳内意識データのデジタル化が可能になれば、人間はデジタル・データとして永遠の生命を獲得するようになるという説がある。一方で、国家の役割はデジタル技術によって徐々に縮小し、いずれ国家機能はゼロレベルにまでミニマム化する事が予想されている。
20万年も続いてきた現生人類にとって、数百年の歴史しか持たない「国家」という存在は一時的な「道具」に過ぎなかった。
「人権」の思想は、人間が生きているという事実それ自体に価値を見出す。
従って、如何なる存在であろうとも「人間を殺して良い」という理由は存在しない。
特定の人間を殺しても良いという理屈があれば、必然的に中国のような存在が生み出される。
国権を最大限に拡張し特定の民族や宗教信者の絶滅を企図する中華人民共和国は、もともと「階級敵には生きる権利を認めない」というマルクス・レーニン主義思想から出発した。
これに対し、無条件で全ての人間に生きる権利を認めるのが「人権」の思想である。
全ての人間の生命と人生に価値を見出す事が、人間存在として最低限のルールでなければならない。
人権財団は、国境を超えて人々と協力しながら、専制主義的で前世紀的な中国の価値観や論理と対峙し、「人権の輪」を拡げていきたいと考える。
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《財団概要》
名称:
一般財団法人 人権財団
設立日:
2015年 9月28日
理事長:
牧野 聖修
(まきの せいしゅう)
定款(PDFファイル)
《連絡先》
一般財団法人
人権財団本部
〒100-0014
東京都千代田区永田町2-9-6
十全ビル 306号
TEL: 03-5501-3413
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